「清水焼登り窯 隣接駐車場の解体工事で破損」の報道をうけて

「清水焼登り窯 隣接駐車場の解体工事で破損」の報道をうけて
先日全国ニュースでも流れた清水焼の登り窯の遺構が近隣のホテル建設に伴う掘削工事によって一部が崩壊した事故。

当事者の登り窯の持ち主の窯元さんはとんだ災難にあわれてその後の工事を進める上の協議で大変な思いをされていることと思います。



うちのお店はこの東側にあったこともあり他人事とは思えない気持ちなのですが、少し気になることもあります。


毎日新聞4月10日付記事
https://mainichi.jp/articles/20180410/k00/00m/040/163000c

この記事を読みましたが、大事なことが読み取れない。
それは『工事現場の安全対策が法令に則った万全ものだったのかどうか?』
ということです。

以下の【カッコ】内は上記URLの毎日新聞4月10日付記事からの抜粋

工事に法令に則った通常の安全対策がなされていたならば

この登り窯の遺構に関して疑問点が2点あります。

【2007年3月に〜市の景観重要建造物に指定】

【明治期に輸出された京焼の窯の先駆けで、文化財としての保護を目指していた。】

①2007年から11年間、文化財としての保護を目指していた、だけなのか。

【ホテル業者側は工事を中断し所有者と復元に向け協議しているが、市文化財保護課は「修理によっては文化財の価値が損なわれる恐れがある」としている。】

②これほど脆い景観重要建造物。
保護、修繕を放置していたのは誰か?


いくつかの報道記事を読みましたが私は上記の①②の問題が解決できません。


もしかしたら法令に則っとり安全対策は通常では問題のない工事だったにもかかわらず、たまたまその隣に文化財の保護を目指しているだけで手立てが打たれていなかった登り窯の遺構がたまたまそこにあったためそれが崩れるという事故が発生した、のではないか?

と思います。


まして
 【京都市中心部は外国人観光客の急増と2020年東京五輪・パラリンピックをにらんだホテル建設が相次いでおり、地域の文化や景観と両立する観光振興が改めて求められそうだ。】


とあるように、この事故が今京都のあちこちで建設ラッシュとなっているホテル建設に結びつけて問題視されていることにとても違和感を覚えています。

あちこちでホテル建設をしているからこんな事故が起きるのだなどと安直に結びつけられかねない。
たまたまホテル建設工事であっただけで一般道の舗装工事などでも起こりうる事故であったのではないでしょうか?

そしてその場合、工事の振動において崩れ、煙突が傾く登り窯の遺構がそこにあったことの方が危険だと思います。
むしろその危険が工事によって露呈したに過ぎないのではないか、そう思うのです。

京都では観光と文化財は両輪であると思います。そのどちらもが得のしない悲しい話です。


京焼・清水焼 やまなか雅陶 
https://www.yamanaka-gato.com