(取り扱い終了)トイレへの絵付け

オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け

オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け

快適な空間、快適な機能を求めて進化してきたトイレがいま、「美しさ」という新しい機能を手にしました。

「筆の美 京・絵付けシリーズ」それは、やまなか雅陶の清水焼伝統の絵付けの技衛生陶器メーカーが長年にわたって培ってきた製陶技術の斬新なコラボレーションです。
清水焼の伝統を受け継ぐやまなか雅陶の絵付師によって一筆一筆、丁寧に描き出された日本の美が、これまでのトイレのイメージを一新します。料理屋さんや雑貨屋さんのトイレ、旅館のトイレにご利用いただいています。

 

オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け

清水焼は京都地方で作られる伝統的な陶磁器の総称で、茶道、華道、京懐石といった京文化の要望に応えながら、雅やかで繊細な造形と意匠を洗練させていきました。清水焼は多岐にわたる工程のすべてを手仕事で行っており、大量に作ることはできないものの、丹精込めて手作りされた器の一つ一つに、職人の感性と、手作りならではの温もりや優しさが感じられます。絵付けにおいても、工程ごとに専門の絵付け師がていねいに仕上げ、細やかな筆使いまでが感じ取れる、感性豊かな絵柄が描き出されます。

個性あふれる空間をトータルにコーディネイトできるよう、洋風便器から小便器、洗面器、手洗器、紙巻器までを取り揃えています。絵付け師の筆運びなど、一つとして同じものは生まれない、完全描き下ろしの逸品です。

 

★京・絵付けシリーズ 筆の美の一例 (トイレ、洗面器、手洗器、紙巻器)

 

オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け
オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け

 

トイレの絵付け 開発の経緯

 

オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け

 

① 絵付けトイレ事業の始まり

 

もともとは清水焼専門店として、店舗のお客様用トイレに、清水焼の絵付けのトイレを付けてみたい、という思いからスタートしました。
アイデアを思い巡らすうちに、伝統の清水焼を販売する専門店として、清水焼のトイレの普及というものが技術の伝承の一つの手段になるのではないか、と思うようになったのです。
そして、優れた技術を持った京焼・清水焼職人に、未来へ向けて誇りと思える仕事と環境を作りたいと思う気持ちから、やまなか雅陶の絵付けトイレ事業は始まったのです。
そして、長く厳しい開発のスタート。まずは、トイレメーカーさんへアプローチが始まるのです。

 

オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け

 

② 商品開発への足がかり

 

トイレに絵を描く、またそれを製品化するというのは単に焼き物の技術だけではなしえません。大型の焼成窯による安定生産ができて、衛生陶器という工業製品としてのさまざまな規格をクリアしたものでなくてはならないからです。
まず初めにしたことは、清水焼の絵付けを施したタイルのサンプルをもって、その可能性を訴え歩くことでした。
当初は絵付けをトイレにする、ということに対して世間の抵抗がありました。しかしながら開発に向けてアピールを続けていくうちに、徐々に興味と将来性を期待してくれる方々が現れ出しました。
そして、ある方からのご紹介で INAX社と共同開発 することになったのです。

 

オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け

 

③ 製品化への道のり

 

これだけ大きなものに絵付けをするわけです。技術的な試行錯誤が続き、安定生産、コスト、など乗り越えなければならない課題はすべて完璧にクリアしなければ工業製品として成り立ちません。大企業との共同開発は単に伝統を守るという気持ちだけでは通用しないシビアな世界でもありました。その世界に踏み込むには意識までも変えていかねばならない、改革でした。


(1)絵付けトイレの技術的な特徴

焼き物で絵付けをする工程としては2種類あります。
下絵付・・・
成形後、乾燥させて素焼き、もしくは本焼きを行います。本焼焼成前に絵付けを施すのが、下絵付と呼ばれる工程です。

上絵付・・・
本焼焼成後上絵顔料で絵付けを施し、本焼よりも低温で再度焼成するのが、上絵付と呼ばれる工程です。

衛生陶器は焼成が乾燥後、本焼一回のみです。そこでテストを重ね、下絵付で施文することとなりました。


(2)やまなか雅陶製作者チームの編成

まず始めに、やまなか雅陶の絵付けトイレ事業に手を上げてくれたのは京都で活動する若手作家たちでした。
彼らとの試行錯誤の結果それぞれの作家の個性を活かした、現代の感覚にマッチしたデザインが出揃い
【ギャラリーマロニエ】での発表に至りました。

しかし、次第に彼らは一つ一つの作品を生み出していく自らのクリエイティブな活動との折り合いに苦しみだしました。
作品としては一定の評価を得たものの、商品開発を進めていくにあたって安定 生産、コスト、工業製品としての規格、納期さまざまな難題が待ち構えていたのです。
次第に弊社から依頼する製作者は安定的に、一定の規格を維持して、といったようないわゆる職人仕事のできる製作者へシフトしていくこととなったのです。

じつは、この異なる特性をもつ作家から職人へのバトンタッチが、商品化への大きな足がかりとなったのです。

京焼・清水焼の発展してきたひとつのあり方として

作家による高いデザイン性をもつ作品の創作

その中で優れた(ヒット)デザインの職人による大衆化、汎用

この流れを京焼・清水焼は、今も昔も手仕事で造ってきました。作家も職人も、どちらも優れた技能を有し、お互いを尊重し発展してきた歴史があります。まさにこの時は、京焼き・清水焼発展の作用が働いたといえます。

絵の具の調合、施文方法、簡単ではないにしろ、高い技術を誇るやまなか雅陶の製作者チームは着実に製品化への道筋を歩んでいきました。
その後も試行錯誤を経て、開発には実に7年の年月を費やしました。

 

④ 発売にあたり乗り越えるべき壁

 

大きなトイレは持ち運び出来ません。注文が入るたびに製作者が出張しINAX社の本拠地、愛知県常滑市まで足を運び、焼成前の生生地に絵付けして帰る。という方法で造られていきます。
自らの使い勝手の良い工房だからこそ良い仕事が出来る、技術を保持できる職人、作家が他産地常滑で、ましてや世界に認知される大企業の工房で受けるプレッシャーは並大抵ではありませんでした。
さらに決められたコストの範囲で注文が入った点数を、出張期間中に完成させられるか、最終的に量産体制に入るにあたって編成されたやまなか雅陶の製作チームは必然的にタフな製作者で固められることとなりました。

 

⑤ いよいよ製品化、販売開始へ

 

オリジナル陶器・トイレ便器の絵付け

 

こうして製品化された絵付けトイレはINAX社との商品、売買契約を結ぶ中で様々なメディアに取り上げられ、世の中に少しずつ認知されていくことになります。

絵付けトイレ展示、京焼作家、職人たちの手洗器製作展示をし多くの反響を呼び京都発、清水焼の絵付けの世界を、世の中に送り出すこととなりました。

その後、INAX社製品カタログXSITEへ掲載、現在に至ります。(現在はお取り扱い終了しました)